EV開発で大注目! 結局「全固体電池」は何がスゴいのか
全固体電池自体はすでに実用化されており、小型家電のバッテリーにも採用されているが、大型製品の技術としてはまだ研究段階であり、自動車用バッテリーとしての今後の技術開発が待たれる。
量産化への期待

自動車用の全固体電池の開発で国内最大手のトヨタ自動車も実用化に取り組んでいるが、共同開発に名乗りを上げたのは石油大手の出光興産だ。
トヨタと出光興産は、将来の量産車への搭載を視野に入れ、2023年10月に全固体電池を量産するための協業を発表した。トヨタはHVに力を入れているメーカーであり、電動車のバッテリーは非常に重要な要素である。同社は将来のEV量産を見据え、2006(平成18)年から全固体電池の開発に着手している。
出光興産は石油元売り・石油化学のイメージが強いが、全固体電池の開発で先端技術の特許を多数保有しており、石油から製造する硫化物系固体電解質の開発に注力している。この両社の協業により、全固体電池の技術開発が急ピッチで進むことが期待され、大まかなロードマップも発表されている。
トヨタと出光興産の計画では、2027~2028年頃の全固体電池の実用化を目指しており、開発は3フェーズに分けて行われる。
第1フェーズは、全固体電池の心臓部である固体電解質の開発で、硫化物系固体電解質を採用するため、品質、コスト、量産技術に磨きをかける。第2フェーズでは、第1フェーズで培った技術をベースに量産設備を開発し、第3フェーズでは本格的な量産化の可能性を検討する計画だ。
また、両者の技術の融合により、耐久性を低下させていた電極材料のクラック問題を克服できるめどができたという。環境保護の観点からも、EVやHVなどのEVの量産化は喫緊の課題であり、今後数年間の両社の動きは大いに期待できる。