日本の「高速料金」は高すぎやしませんか? 中国の2.7倍、イギリスは原則無料 まぁ事情がおありでしょうが

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高速道路料金は開通以来数年ごとに値上げされ、利用者の負担は徐々に増えている。そもそもなぜこんなに高いのか、そして将来はどうなるのか。

無料化は2115年

料金所チケットを取る手(画像:写真AC)
料金所チケットを取る手(画像:写真AC)

 筆者が気になるのは、高速料金が今後どうなるのかということだ。まだ値上げされるのか、それとも無料化されるのか。答えは。「いずれ」無料化される――である。

 しかし、この「いずれ」というのが厄介なのだ。そもそも高速料金は、

「高速道路(借金で建設)の料金を利用者から徴収し、返済が終われば無料にする」

という話だった。

 当初の計画では、日本初の高速道路である名神高速道路(名神、1963年開通)から25年後、東名高速道路(東名、1965年開通)から23年後に無料化する予定だった。

 しかし、高速道路建設費の借金は思うように返済できず、借金は膨らむばかりだった。加えて、名神と東名から徴収した高速料金を

「他の路線の建設費」

にまわされたため、借金の返済が困難になった。

 国土交通省は高速道路の有料化期間を9回(!)も延長しており、2023年初頭には、2065年までに無料化する計画がさらに50年延長され、

「2115年」

となった。2024年から91年後である。この記事を読んでいる人で生きている人はほとんどいないだろう。結局、未来の世代が過去の遺物の重荷を背負っているのだ。

 とはいえ、高速道路を安全かつ快適に利用するために、利用者から高速料金を徴収して維持管理しなければならない現状を見過ごすわけにはいかない。国土交通省を中心に、高速道路についてさまざまな議論を重ねられている。今後の政策に期待できるだろうか。いや、できない(反語)。

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