「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!

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人口の3割を占め、日本経済を支える約4000万人の高齢者。シルバー社会のまちづくりとモビリティはどうあるべきか。

シルバー社会のモビリティと都市

シニア女性のイメージ(画像:写真AC)
シニア女性のイメージ(画像:写真AC)

 日本と欧米では道路の発達の歴史が違うため、日本のモビリティ体系はやはり迷路のような地下をベースにして、その補完としてモビリティが存在する体系になっていくのではないか。日本の近代150年を考えると一番親しまれていた「地下」と「歩く」を基本に、「シルバーにやさしいモビリティ」が必要になっていくと考えられる。

 日本には人口の3割を占める約4000万人のシニアがおり、日本の景気を下支えしている。シニアは街に出たがっている。街を楽しみ、買い物して、食事をして、友人を訪ねて、病院へ。シニアは決しておとなしく動かずにいられる年代ではないし、

「街より自然がいい」
「乗り物に乗るより歩きがいい」

という層ではない。

「人との交歓を楽しみたい」
「猛スピードで走る自転車、商用車に脅かされたくない」
「100mごとに休みたい」

のがニーズだ。

 シルバー社会のモビリティはどうなるのか。空を飛んだり、AIと対話したり、映像をみたり「刺激」を極限まで推し進めるのもひとつの方向かもしれないが、一方で刺激のない、心地よい空間にして、ドライバビリティはクルマに任せて、積極的に、睡眠したり、趣味を充実させたりする、閉鎖的で排除的な場所を享受したい、という欲求を満たすような「特別室」が求められるのではないか。究極は、

・時々歩いて時々乗る
・地下と地上を自由に行き来できる
・必要な時に目の前に現れて、不要になったら消えてくれる

ようなモビリティかもしれない。

 クルマは、日常から解放し、都市と一体となってファミリーの余暇レジャーを作り出し、人・家族との交流、中流の生活スタイル、生きがいを作り出してきた。次世代モビリティの課題は、クルマをつくるのだけでなく、にぎわいのある都市をつくり、シルバー時代の生きがいをつくることだ。

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