「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!

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人口の3割を占め、日本経済を支える約4000万人の高齢者。シルバー社会のまちづくりとモビリティはどうあるべきか。

人が集まる目線の街づくり

ジェイン・ジェイコブス『アメリカ大都市の生と死』(画像:鹿島出版会)
ジェイン・ジェイコブス『アメリカ大都市の生と死』(画像:鹿島出版会)

 ジェイン・ジェイコブスの『アメリカ大都市の生と死』が書かれた1960年代は米国の都市が死にかけ、魅力を失っていた時代だ。高層ビルが立ち並び、ワンブロックが長くなり、人が集まらず、人が消え、都市の人口が長期減少に転じる局面だった。

 都市の多様性を取り戻すために、

・混合一次用途(ブロック内の多くの施設が三つ以上の機能を持ち多様な層が異なる時間に存在すること)
・小さな街区(ブロックを短くして街路や角を曲がる機会を頻繁にすること)
・古い建物(古さや条件の異なる各種の建物を混在させること)
・密集(居住者や来訪者を含めて交流が生まれるほどの密度)

の必要性が提案された。

 政府の政策は「歩く」をベースに、平面的に、機能発想で考えた街づくりから、もう一歩推し進め、多様性を生み出すために、海、山、川、風などの日本ならではの自然を生かすべきだ。地上だけなく、日本らしい発想で地下にも安くて新鮮な食材や食事をそろえ、混合・密集を作り出すように区画を短くして、立体的な環境によりにぎわいを取り戻していくことではないか。

 人が暮らす、集まる、目的を多様化させる「人が集まる目線」の街づくりが重要だ。熱帯魚が活躍する「ファインディング・ニモ」の舞台が近いかもしれない。

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