老後は「交通至便」な場所に住むべき? 高齢者の移動手段についてデータで考える
高齢者と移動手段

先日、坂道が多いことで知られる横浜で、高齢の男性と話す機会があった。
「来年90歳。すぐにでもあの世行きかもしれないけれど、思い切って電動の自転車を買った」のだという。
全体的に若々しいし、歩くのもきびきびしている。自転車もそう危なげがないのだろうと想像した。
かねて、自転車に乗る高齢の男性はよく見かけるが、女性はあまり見かけないイメージがあった。実際はどうなのか気になり、高齢者の用いる移動手段に関する資料を探してみた。
国土交通省は、定期的に国民の移動手段を調査している。最新の調査結果である「第7回全国都市交通特性調査」が行われたのは、オミクロン株流行前で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間外にあたる2021年10月下旬~11月末)だった。新型コロナウイルス感染症の影響が今より強いと考えられるが、前回は2015年なので、こちらを見ていきたい。
高齢者が平日に使う交通手段の構成比を、60代と70代の「年代別」、「男女別」、さらに三大都市圏と地方都市圏に分けて表示している。
女性の自転車利用率は、60代の三大都市圏では15.7%、70代でも15.5%である。地方都市圏では、60代の女性の9.8%が自転車を利用していて、70代でも9.8%だった。男性はというと、三大都市圏の60代は10.8%、70代は10.1%が自転車に乗っている。地方都市圏では60代が6.4%、70代では6.8%だった。ここから、自転車は
・70代で乗らなくなるものではないということ
・男性より女性に、地方より都会で利用されている手段
だとわかった。
徒歩に関しては、同じ環境であれば、男性より女性が多い手段である。例えば三大都市圏の60代では、男性が16.7%徒歩のところ、女性は24.4%といった具合である。70代になると徒歩の割合がどこにおいても男女ともに増えるのだが、特に三大都市圏では、その割合が大きくなる。男性26.7%、女性は37.2%になるのだ。
データによれば、70代の外出目的は「買い物」が多いのだが、都会には歩ける範囲に店舗があることも理由のひとつだろう。令和3年のデータでは、65歳以上の免許保有率が
・男性:73.6%
・女性:37.6%
であるので、女性の自転車や徒歩が大きいことも影響しているはずだ。