「エコ軍艦」続々 イギリスが進める“海軍の環境対応”最前線 船内の生活環境にも徹底

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海運業界で環境に配慮した新造船が次々と登場するなか、イギリスは軍艦でこの動きを進めている。排出ガス中のNOxやGHGの低減だけでなく、船員の生活環境にまで、環境対応が徹底されてきている。

新造フリゲートでも環境対策

建造中の26型フリゲート(画像:イギリス海軍)。
建造中の26型フリゲート(画像:イギリス海軍)。

 建造中の26型フリゲートではNOxなどの対策に加えて、環境に優しい防汚塗料を採用。船底への海洋生物の付着を防ぎ、水の抵抗を減らすことで、燃料消費量の削減やCO2(二酸化炭素)排出の削減につなげる。船体は流体力学的な設計によって可能な限り滑らかになっており、艦尾に付加物「スターンフラップ」を装着することで、余分な力を必要とせずに速度を1ノット増やすことができるようになっている。

 艦内の照明は蛍光灯ではなく、長持ちするLED照明を使用するほか冷蔵庫の冷却には地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒を使用し、生活排水もより高い基準で処理を行う。また、26型フリゲートの主な任務である潜水艦の探知を考慮しつつ、作業によって生じる海洋生物へのリスクを乗組員が評価するシステムも搭載している。

 26型フリゲートは8番艦まで計画されており、現在BAEシステムズのガバン・ヤード(スコットランド)で、1番艦「Glasgow」、2番艦「Cardiff」、3番艦「Belfast」の建造が進んでいる。

ペンギンを守る軍

 英国海軍は、基地周辺の清掃活動から太平洋の島々に蓄積されたプラスチックのモニタリング、持続可能な漁業資源の管理といった、環境保護に関する活動に取り組んでいる。2021年には砕氷艦「Protector」を使用した、サウスサンドウィッチ諸島におけるペンギンの個体数と気候変動に関する国際研究の支援を実施した。

「Protector」は英オックスフォード大学動物学部と米国の科学・教育団体Oceanitesによる研究者の輸送だけでなく、南極海域の科学的データを収集し、船員が使用する海図の作成などを行っている。2022年4月まで南極地域に留まる予定だ。

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