EV普及を邪魔する「コバルト不足」を解決? 東芝“新型リチウムイオン電池”が秘めた大きな可能性、時代は原料争奪戦から新技術開発か

キーワード :
,
東芝は11月28日、リチウムイオン電池の新技術開発に成功したと発表した。具体的にどのような技術なのか。その概要を説明する

不思議な素材「ニオブ」

東芝のウェブサイト(画像:東芝)
東芝のウェブサイト(画像:東芝)

 しかし、ここで新素材の存在を不思議に思った人も多いだろう。それは、負極材に使われているニオブである。この素材は、化学を専門的に勉強したことのない人にはほとんどなじみがないかもしれない。

 ニオブの特徴は、金属素材として非常に高い耐熱性を持つことである。これまでは主に、特殊用途の構造用高級炭素鋼の強化材料、もしくは航空宇宙分野の高級耐熱鋼強化材料にも使用されてきた。金属素材としての推定埋蔵量は現在400万~500万tで、同じく700万tと推定されているコバルトよりも少ない。

 とすると、価格や市場動向はどうなるのか。ニオブの用途は特殊で絶対量は多くない。供給量は基本的に常に市場の必要総量に対して十分であり、市場価格も安定している。東芝の新素材によって需要が増えるリスクはあるが、技術的に他社がすぐに追随するのは難しい。

 東芝が開発に成功した正極・負極材を使ったリチウムイオン電池が、EV用電池として実用化されるにはまだ時間がかかるだろう。しかし、成功した暁には、電池業界に大きなうねりを巻き起こすだろう。

 投資会社の日本産業パートナーズを軸とした株式公開買い付け(TOB)が開始されるなど、昨今、企業の将来性が取り沙汰されている東芝にとって、この電池は新時代のキーテクノロジーとなる可能性を秘めている。今後も目が離せない技術である。

全てのコメントを見る