高卒vs大卒 50代後半で年収格差「1.5倍」も、AI技術浸透で“高卒逆襲”の時代到来か?

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高卒と大卒では年収に差が生じている。ただ、この傾向が今後も続くかはわからない。いったいなぜか。

30年で倍以上になった大学進学率

会社員のイメージ(画像:写真AC)
会社員のイメージ(画像:写真AC)

 日本人の大学進学率は1990(平成2)年では約25%、つまり、4人にひとりしか大学に進む人はいなかった(文科省学校基本調査)。

 その後、徐々に大学進学率は上昇し、30年後の2020年には

「約55%」

と倍以上になり、半数以上が大学に進学するという社会になっている。これは、大学進学が社会的に成功したり幸福になったりするために重要なことであるとの信念からであろう。

 ただ、

・大学数が1990年の約500校から2020年の約800校(60%増)へと増えた
・1990年には約200万人だった18歳人口が2020年には約120万人(40%減)へと減少した

ことを考えると、大学には入りやすくなっており、大学進学が今後社会的に特別有利に働く要因となるのかについては疑問が残る。

年収は高い傾向の確かに大卒

格差のイメージ(画像:写真AC)
格差のイメージ(画像:写真AC)

 学歴の影響がどのように現れるのかについて検証するために、まず学歴と年収の関係を見てみよう(厚労省賃金構造基本統計調査)。

 確かに高卒と大卒では年収に差が生じている。賞与平均を2.5か月として年収換算すると、20代前半で高卒は年収約300万円に対して、大卒は約340万円(13%上)と40万円程度の開きがある。

 そこから年齢を追うごとに差は大きくなり、日本人の平均年齢約49歳のあたりでは高卒が年収約440万円に対して大卒は約620万円(41%上)と差は約180万円、そして50代後半では高卒が年収約460万円に対して大卒は約710万円(54%上)と差は約250万円と最大になっている。

 ただ、この傾向が今後も続くかはわからない。30代前半までは高卒と大卒の間の年収差は100万円に満たない。その後、急に差が開いていくのだが、今後の世代でも同じような傾向になるだろうか。

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