未来の道は2階建て? 大林組・トヨタらが次世代道路構想 鋼矢板を本設利用

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大林組、トヨタ未来創生センター、豊田中央研究所が次世代道路構想「ダイバーストリート」を発表。あわせて構想の実現に必要な地下空間を構築する新たな施工法を開発した。施工コストは約4割、工期は約2割それぞれカットできるという。

掘削エリアの縮小が可能

次世代道路構想「ダイバーストリート」のイメージ。地下空間を無人搬送車(AGV)による物流で利用している(画像:大林組)。
次世代道路構想「ダイバーストリート」のイメージ。地下空間を無人搬送車(AGV)による物流で利用している(画像:大林組)。

 大林組とトヨタ未来創生センター、豊田中央研究所が2021年7月、次世代道路構想「ダイバーストリート」を公開。あわせて、この構想の実現に必要な、地下空間を構築する新たな施工法を開発したと発表した。

「ダイバーストリート」には地下空間があり、物流システムの高度化や無電柱化、共同溝などインフラの効率的な整備に寄与するほか、豪雨時の雨水貯留も可能という。路面は、自動運転の路車間通信や走行中給電なども可能となり、次世代モビリティにも対応する。

 今回開発した施工法の特長は、地下空間を短工期かつローコストで構築できることという。

 従来の工法は、プレキャストボックスカルバート(PCaボックスカルバート)で地下空間を構築している。まず、地下の作業空間を確保するために仮設鋼矢板を打設し、次に工場で製作したPCaボックスカルバートをトレーラーで現地に運び、大型クレーンで設置する。そして、分割されたPCaボックスカルバートを接続して、側部を埋め戻した後に仮設の鋼矢板を引き抜く。

 これら一連の作業のため、周囲の建物や道路など敷地境界から少なくとも1.5mほど距離をとり、施工エリアとして確保する必要がある。このため工期とコストが課題だった。

 開発した新たな施工法は、鋼矢板を本設利用するというものだ。側壁の躯体工事と鋼矢板の引き抜きが不要となり、さらに工場で製作するプレキャスト部材が床版のみとなるため、プレキャスト部材の製作費や運送費が大幅に減少。従来工法より施工コストは約4割削減、工期は約2割短縮できるという。

 さらに仮設鋼矢板と躯体の側壁間の作業スペースが不要となり、掘削エリアの縮小が可能。敷地境界に鋼矢板を打設することもできるという。

 鋼矢板は、従来の土留め機能に加えて、支持構造物としても使用する。プレキャスト床版などを採用し、軽量な路面構造にすることで、路面から伝わる鉛直および水平荷重を鋼矢板の側壁摩擦力などで支持する。デジタルモックアップの活用や土木設計技術の応用により、地下空間の構築について、車両走行時の構造解析や振動・騒音解析を行い、有効性と実現性を確認したとしている。