燃料電池車の販売低迷 「水素ステーション」無いから売れないのか、はたまた売れないから無いのか 一体どちらだ?

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水素ステーションの普及が進まず、地方自治体が導入した燃料電池車の水素充填に苦労する例が関西で相次いでいる。水素普及を打ち出した政府の戦略には暗雲が漂う。

コスト高も依然、克服できず

水素ステーションの主要設備(画像:経済産業省)
水素ステーションの主要設備(画像:経済産業省)

 関西の自動車ディーラーは

「近くに水素ステーションがない場所でFCVを売れない」

と嘆く。これに対し、燃料電池実用化推進協議会は

「FCVが売れないから、水素ステーションを設置できない」

と頭を抱える。現状はまるでニワトリが先か、卵が先かを悩むような難所に迷い込んでしまったようだ。

 しかも、FCV、水素ステーションともコストがかかる。ミライは発売以来、新車価格が約700万円で変わらない。これに対し、米テスラのEVは2008年に1000万円台だったが、2021年には400万円台と劇的に下がったモデルが登場している。

 水素ステーションの設置費用は経済産業省の調査で2019年、土地代を除いて約4億5000万円かかっていた。2013年の5億1000万円より少し下がったものの、1億円足らずで済むガソリンスタンドに比べるとはるかに高い。しかも、運営費が年間約4000万円かかる。政府は2025年に2億円までコストダウンする目標を掲げるが、見通しは立っていない。

 水素は「究極のクリーンエネルギー」といわれ、環境保護の面で推進に期待する声が根強い。だが、このままでは政府の推進計画を見直さざるを得ない状況に追い込まれそうだ。

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