自動車検査の「手数料」また値上げ! 前回からわずか1年余り、いったいなぜなのか
自動車の維持費は、高くなるばかり
現代の日本で車を維持することは、税金をはじめとする、定期的な必要経費を、非常に多く支払うということだ。実際に、自動車の年式が古くなれば税金が高くなり、古くはなくとも、日本自動車連盟の指摘する2重課税問題などもあって、「車を所持するということは、税金を多く納めること」と言い得るような状況だ。
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これによって、自動車を個人所有するより、使いたい時だけ使うという、レンタルやシェアリングの方が合理的だと判断する人が増えている。それに加え、高齢者の免許返納などで自動車を保有しなくなるケースも増加傾向で、自動車を保有する人口は、少なくなる流れにある。
昨今、自動車が売れない理由は、趣味が多様化し、無理をしてまで車を手に入れる必要性が薄れたこと以外にも、ユーザーを車に近づけない、遠ざけてしまう税制にも、原因があるのではないだろうか。
自動車が減れば当然税収も下がり、思ったように財源が確保できない。国は、電気自動車や水素自動車を普及させたいという思惑があるが、さまざまな理由で自動車を維持するコストが高くなっている。それによって、さらに自動車を保有する人が減り、財源が不足する悪循環に陥っているのではないだろうか。
そんな中だが、日本自動車工業会では、自動車製造業を日本の基幹産業とうたっている。しかし、日本国内のこのような状況が続けば、日本の自動車会社も、利益が望めない日本を完全に捨てて、利益の見込める海外へ拠点をさらに移してしまう可能性が高まってくる。
政府は、ITSや、カーボンニュートラルなど、国を挙げて目標をアピールしているが、一体このような状況でどれほど実現できるのだろうか。厳しい見方だが、今後どのようなかじ取りをみせるのか、注視していきたい。