トラック輸送に欠かせない無色透明の液体! 日本でも昨年高騰した「アドブルー」とはいったい何か
昨年末、日本でも高騰

実は、日本でも2021年秋から年末年始にかけてアドブルー不足が問題となり、ECサイトなどで高額転売が散見されていた。
というのは、尿素の主な輸入先である中国が、2021年10月から国内の尿素不足を理由に尿素の輸出制限を行ったため、国内の供給量が減少したためだ。尿素を中国からの輸入に頼っている韓国も、同時期にアドブルー不足が問題となっていた。
アドブルー不足が騒がれていた2021年末は、カー用品店などで在庫切れが発生し、1Lあたり1000円を超える価格で販売されていた。
このような事態を受けて、経済産業省は、国内事業者への増産要請や輸入先拡充などの需給緩和対策を実施し、2021年末に
「排ガス浄化の高品位尿素水不足は、22年1月に需給が安定する」
と発表した。9月末現在では需給緩和対策の効果も手伝い、アドブルーの販売価格は落ち着いている。
アドブルー不足で物流業界団体が警告

燃料価格の高騰やアドブルー不足を引き起こしたガス価格の高騰は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した制裁合戦の副作用だ。ここしばらくは、事態が好転して燃料やガス価格が下がる可能性は少ない。
「アドブルーがなくなれば、ほとんどのトラックは動かなくなり、被害はスーパーマーケットの棚だけではない」
と、BGLの幹部が警告を発しているが、危機を誇張しているだけと見てもよいのだろうか。
新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン時は、トラック輸送の停止により陸路の物流が滞り、コンテナ船が沖合で10日~3週間以上待たされる事例が発生していた。この時は、部品が届かず自動車をはじめとした工業界にも影響を及ぼしていたのだ。今やトラック輸送は、食料や日用品の確保だけでなく、サプライチェーンマネジメントにとっても欠かすことができないのだ。
物流業界団体の警告は、おおかみ少年で終わるかどうかしばらく注視する必要がある。