園児置き去りを本当に防ぐ気はあるのか? 当事者が感じる「通園バス」安全装置義務化への根本的疑念

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静岡県での通園バス置き去り死亡事件を巡って、安全装置の設置の義務化が明らかになった。ただそれだけで根本的な解決になるのか。

国の配置基準の甘さ

アプリを使う人のイメージ(画像:写真AC)
アプリを使う人のイメージ(画像:写真AC)

 保育士の数は、国の配置基準と行政が独自に定める配置基準がある。国の配置基準は現在、次のようになっている。

・0歳児:子ども3人に対して保育士ひとり
・1~2歳児:子ども6人に対して保育士ひとり
・3歳児:子ども20人に対して保育士ひとり
・4歳児以上:子ども30人に対して保育士ひとり

 一見して、本当に安全が確保できるのかと不安になる数字だ。同様のことを感じる親御さんも決して少なくないだろう。

 もちろん、厳しい配置を導入している自治体もある。例えば世田谷区では1歳児は、

「子ども5人に対して保育士ひとり」

としている。

 ただ、人数を増やすにも人材確保そのものが困難な状況にある。3歳児は子ども20人に対して保育士ひとり、と書いたが、もちろんそれだけでは運営できない。保育園は1日8時間以上開いているため、複数の保育士をシフトで配置しなければならないからだ。しかも、単に保育士の資格を持っているだけではなく、保育を行うに足り得る資質を持った人材でなければならない。そうなると、人手不足が常態化する。

問題の根本的解決目指せ

通園バスのイメージ(画像:写真AC)
通園バスのイメージ(画像:写真AC)

筆者が子どもを預けている企業主導型保育園は、企業の社員子弟と地域の保育園に落ちた人が利用している。筆者は後者なので月額の保育料は結構高い。そのため、認可保育園に空きが出た場合に転園する子どもが多いため、1~2歳児については、

「子ども3人に対して保育士ひとり」(国の基準は子ども6人に対して保育士ひとり)

の状態だ。だから、チェックが手厚いのだ。保育士はどこまでいっても頭数が必要なのだ。

 免罪符にはならないが、一連の置き去り事故の背景には人手不足の側面も大きい。さまざまな交通機関においても、人手不足から来る疲労はヒューマンエラーの原因として指摘されている。

 導入された安全装置がいくら優秀でも、基本部分が改善されなければ、今後も置き去り事件は発生し続けるだろう。安全装置もアプリも問題を根本的な解決に導かないことを、私たちはいま一度考えなくてはならない。

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