園児置き去りを本当に防ぐ気はあるのか? 当事者が感じる「通園バス」安全装置義務化への根本的疑念
静岡県での通園バス置き去り死亡事件を巡って、安全装置の設置の義務化が明らかになった。ただそれだけで根本的な解決になるのか。
安全装置を使っても避けられないマンネリ化

今回、小倉大臣が示した方針は、人の手による確認では限界があることを前提とし、安全装置を重視している。現在導入が想定されているのは、車内の後方にボタンを取り付けて、エンジン停止後、制限時間内にボタンを押さないと警報が鳴るというものだ。
小倉大臣は
「シンプルで実効性の高い装置」
と評価しているが、筆者(本間めい子、フリーライター)は疑問を持っている。なぜなら、ボタンを押す作業に目が行くあまり、「押しさえすれば安全」と考え、座席の下などの入念なチェックを怠ることが懸念され、それがマンネリ化するからだ。いわば、ボタンを押す作業が「手段」ではなく、「目的」になってしまうのだ。
降車後、運転手が後部座席を撮影し、スマートフォンを通じて関係者に通知するアプリも開発されている。しかし、どのような安全装置やアプリを使ってもマンネリ化は避けられない。結局は
「全員の降車後、最後に目視で確認する」
「出欠確認を怠らない」
など、人の手と目に頼るしかなく、また、これより確実なものはないだろう。
筆者は現在、子どもを保育園に預けている。この園は保護者が送り迎えをするスタイルで、登園・退園時に玄関に置かれたタブレットに情報を入力すると、登録された保護者のメールアドレスに通知されるようになっている。
さらに、園側が出席を確認しながら、利用予定表を確認し、口頭で
・退園予定時刻
・迎えに来る保護者
を確認する。
先日、家族で平日に帰省した際、出席予定のままにしていたら、午前8時30分に「登園していません」と電話がかかってきた。このような水も漏らさぬチェック体制が整っているのは、園関係者の資質だけではなく、この保育園が企業主導型保育園で、通常より保育士の数が多いからだと感じる。