北海道「カート事故」、被害者巻き込みは前例なかった? いま改めて確認すべき「カートは遊具にあらず」という大前提

キーワード :
, , , ,
2022年9月、北海道で起きたゴーカートによる死亡事故。過去の類似事故を追っていくと、今回の件の“特異性”が見えてきた。

カートでの死亡事故は過去にも

(画像:事故が起きた、北海道森町のグリーンピア大沼(C)Google)
(画像:事故が起きた、北海道森町のグリーンピア大沼(C)Google)

 石原裕次郎、小林旭に次ぐスターとして「第三の男」と呼ばれていた赤木は、日活撮影所で撮影の休憩中に、セールスマンが持ってきたカートを運転。ブレーキとアクセルを踏み違えて倉庫の鉄扉に激突し、帰らぬ人となった。

 カートはパイプフレームにむき出しのエンジンやタイヤなど、走るための最低限の設備だけを装着したもの。安全性は極めて低い。そのため、レンタルカートを楽しめる施設でも長袖長ズボン、ヘルメットやグローブの着用は必須となっている。

 それでもカートによる事故は、これまでもゼロではない。一般的な自動車が、多くの安全対策を施しても毎日交通事故が起こっているように、カートによる事故も起こるものだ。

 過去の事例を挙げてみよう。

 1997(平成9)年4月、福井県三国町でカートのレース中に事故が発生。レース中にヘアピンカーブで接触したゴーカートが分離帯を越え、対抗のコースのカートと衝突し、後者が死亡した。

 事故を起こしたカートは排気量100ccで、最高120kmの走行が可能なものだった。

 今回のようなコースを外れる事故は、過去にも多数起きている。

 2000年8月に群馬県大泉村で起きた事故では、カートを運転していた中学生がカーブを曲がりきれずにコースを外れて、道路を20m走った後に、約4m下の駐車場に転落。ヘルメットをかぶっていたために命は助かったものの、全身を強く打ち重傷を負った。

全てのコメントを見る