北海道「カート事故」、被害者巻き込みは前例なかった? いま改めて確認すべき「カートは遊具にあらず」という大前提

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2022年9月、北海道で起きたゴーカートによる死亡事故。過去の類似事故を追っていくと、今回の件の“特異性”が見えてきた。

免許のない子どもが運転する危険性

ゴーカートのイメージ(画像:写真AC)
ゴーカートのイメージ(画像:写真AC)

 過去のさまざまな事故例を調査した限りでは、今回の北海道で起きたような、カートが周囲の人を巻き込んだ事故というものは、なかった。

 その点で、イベント主催者側の安全配慮が足りなかったことは否めない。

 一方で、免許のない子どもでも気軽に運転を楽しむことができるカートが、一般の自動車と同じく一歩間違えば凶器になり得ることは、過去の事故例からも明らかだ。

 サイズも小さいカートは、一見して遊園地にある子ども向けの遊具のように見えてしまう。

 しかし、排気量が小さいとはいえエンジンとタイヤを備えたカートは、遊具ではなく自動車である。それゆえに運転にあたっては、自動車と同等の危険性をはらんでいるのだ。

 楽しさの半面で、凶器になりうる可能性への認識が希薄であればあるほど、事故を招く危険性は高い。

 とはいえ、多くのカート場では利用者に乗車前の説明を行い、楽しい時間を提供している。安全意識さえ忘れなければ、カートは楽しい乗り物だ。

 北海道の事故がいたずらに規制を強化する方向に向かわないことを願う。