問われる北海道新幹線の「存在意義」 旅客優先か?それとも貨物か? 青函トンネル高速化実現が突きつける日本の行く末とは
青函区間で140~160km/hまでスピードダウンを強いられている北海道新幹線。旅客をとるか、貨物をとるか。日本の未来を左右する究極の2択を、青函トンネルが突き付けている。
旅客をとるか、貨物をとるか

現状、青函区間における新幹線と貨物列車の共存はこの手法が限界だ。この先は
「旅客をとるか、貨物をとるか」
の2択となる。
旅客をとるのであれば、青函区間における貨物列車を廃止し、北海道新幹線本来の設計速度である260km/h運転が実現可能となる。将来的に札幌へ延伸することを考慮すると、青函区間における新幹線の260km/h運転はぜひとも実現したいところだ。
だが、前述の通り青函区間は日本の貨物路線の大動脈。この大動脈を切るという行為は、北海道のみならず日本経済全体に対して悪影響だ。詳細は同じく本媒体で6月11日に配信された「函館線「長万部~函館」存廃問題 もはやJR貨物の手に負えず、国も自治体も膨大赤字にダンマリの現実」(=貨物輸送をやめた場合の試算額)を参照してほしいが、その損失額は1462億円ともいわれている。
一方で、貨物をとるのであれば、基本的には現行の運行スタイルを維持することとなる。貨物列車は安泰だが、新幹線は最繁忙期に210km/h運転を行う以外は、青函区間約80kmを「フル規格」とは呼べない速度で走行することを余儀なくされる。
そうなると、北海道新幹線の存在意義が問われてくることになり、それはJR北海道のメンツに関わる。想定ほど売り上げが伸びず、ただでさえ経営難であるJR北海道が、メンツ的にも経営的にもさらに追いつめられることは容易に想像できる。そしてその批判の矛先は、JR北海道を超え国土交通省、すなわち国へ向けられることになるだろう。
旅客をとるか、貨物をとるか。日本の未来を左右する究極の2択を、青函トンネルが突き付ける。