「半導体不足」「パンデミック」の状況下、サプライチェーンを回復させるために必要な8つの要素とは?

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回復力のあるサプライチェーンの重要性は、新型コロナウイルスの感染拡大で明らかになった。今後の展望とは。

回復力を高めるための八つのポイント

自動車メーカーの工場の製造ラインのイメージ(画像:インフォアジャパン)
自動車メーカーの工場の製造ラインのイメージ(画像:インフォアジャパン)

 最後に、可視性の向上も含めたサプライチェーンネットワークのレジリエンスを高めるために必要な八つの要素について挙げる。

1.サプライチェーンのレジリエンスの基盤として、リスクを低減し、信頼を構築するために、エンド・ツー・エンドなバリューチェーン全体において、組織内および組織間の可視性と連携性を向上させること。

2.サプライチェーンにある程度の「余裕」を持たせること、すなわち、過剰なジャスト イン タイム生産(JIT)や密結合で運用しないことを検討すること。コストは上がるが、トレードオフとして、大規模な混乱を引き起こすことなく、混乱に耐える能力の向上によって相殺される。これらのコストは、ある意味で「リスクプレミアム(リスクに対して支払われる対価)」といえる。

3.特定のサプライヤーに過度に依存しないよう、可能な限りバックアップのサプライヤー/トレーディング・パートナーを確保し、育成すること。

4.AIやアナリティクスなどのテクノロジーツールを活用し、サプライチェーンの一部を自動化し、パターンや傾向を特定して、リスクの軽減、スピードアップ、エラーの低減を図ること。

5.事実を把握・可視化し、根本的解決や継続改善を図る「センス&レスポンス能力」を高めるために、スケーラブルでアジャイルな実践方法を取り入れること。

6.サプライチェーンをコスト削減中心から成長のための協調的なエンジンへと再構築し、変革すること。

7.透明性やコラボレーションの向上と適切なセキュリティーのバランスをとること。

8.これらを実現するために、適切な人材を採用し、維持すること。

 繰り返しになるが、自動車業界のサプライチェーンにおいて重要なのは、従来のサイロ化された「組織の壁を越える」ようなやり方から、透明性とコラボレーションを高める文化へ変革することだ。これは、変革を推進し、道を示すリーダーたちによって、トップダウンで始めなければならない。

 さらに、ディーラーから最も小さなサプライヤーに至るまで、サプライチェーンに関わる関係者全員がこの問題の当事者だと認識することが、この変革進めることの前提になる。

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