BYD席巻の中国、「日本車」は撤退すべき? 踏みとどまるべき? 10月1日に「国防動員法」施行! 巨大市場を手放さずに技術とデータを守る方法とは
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2026年10月の改正国防動員法施行を受け、中国展開する日本車各社は重い決断を迫られている。寿命約13年の車が蓄積する走行データやAIは、いまや国家安全保障に直結する。撤退か全面現地化かという二択を排し、何を現地に残し何を切り離すべきか。巨大なEV集積地で問われるリスク管理の核心に迫る。
動員法改正と試される経済安全保障

中国では電気自動車(EV)やソフトウェア定義車両(SDV)をめぐる競争が激しさを増している。トヨタをはじめとする日本の自動車各社は、中国に生産拠点や販売網、研究開発機能、部品の調達網を築いてきた。中国は世界最大級の自動車市場であるだけでなく、EVやバッテリー、車載半導体、ソフトウェア、AIの分野で、世界最先端の産業が集まる一大拠点でもあるからだ。
一方、中国では2026年10月から改正国防動員法が施行された。ここで日本企業に求められるのは、この動きを現地の工場が直ちに徴収・徴用されると短絡的に捉えないことだ。軍事と非軍事(経済・技術・情報)の境界をなくし、国全体で安全保障を推し進める総体国家安全観という考え方に基づく法的な枠組みが強まっている。本当に目を向けるべきなのは、現地で事業を展開する企業が保有する設備や資源、技術、データが、中国の国家安全保障政策と今後どのように結び付いていくのかという問題だ。
自動車産業の競争力を支える要素は、従来のエンジンや車体といった物理的なハードウェアから、バッテリーや半導体、AI、ソフトウェア、車両データへと広がっている。中国に何を置き、何を日本や第三国で管理して切り離すのかという問いは、もはや一国での事業戦略にとどまらず、経済安全保障を含む重要な経営課題として浮上している。