BYD席巻の中国、「日本車」は撤退すべき? 踏みとどまるべき? 10月1日に「国防動員法」施行! 巨大市場を手放さずに技術とデータを守る方法とは
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2026年10月の改正国防動員法施行を受け、中国展開する日本車各社は重い決断を迫られている。寿命約13年の車が蓄積する走行データやAIは、いまや国家安全保障に直結する。撤退か全面現地化かという二択を排し、何を現地に残し何を切り離すべきか。巨大なEV集積地で問われるリスク管理の核心に迫る。
平時から有事へ広がる動員法の射程
改正国防動員法を考えるうえで重要なのは、法律上の制度と、実際に企業に求められる対応を分けて捉えることだ。法改正が行われたという事実だけで、現地の工場や技術が直ちに動員されると考えるのは早計である。
国防動員とは、国家の主権や安全だけでなく、発展上の利益(海洋権益やサイバー空間、海外資産など)への脅威にも対応する制度を指す。必要に応じて、経済や社会の資源、能力を国防の目的に活用する仕組みだ。企業にとって懸念されるのは、平時には民間事業に使われている設備や資源が、安全保障上の必要性が高まった際にどのように扱われるかという点にある。
注意すべきなのは、動員が戦争が始まった瞬間だけの問題ではないことだ。日中関係や米中関係が緊張し、台湾情勢などをめぐって安全保障環境が急速に悪化すれば、企業活動にもさまざまな制約や要求が及ぶ可能性がある。日本メーカーにとっては、実際の軍事衝突が起きる前の、平時から有事へと向かうグレーゾーンの段階で、事業をどう継続するか判断することが問われる。
もっとも、ここでも極端な見方は避ける必要がある。改正国防動員法だけで、企業のデータやAI技術のすべてが動員対象になるとは言い切れないためだ。データの取り扱いについては、データ安全法やサイバーセキュリティ法、反スパイ法など、中国の複数の法制度を併せて考える必要がある。