「高速道路って、結局無料にならないの?」 2115年まで延長された有料期間、インフラ維持を蝕む“供給制約の二重構造”とは
限界に達する全国プール制の相互扶助

人口減少と地方の過疎化が突きつける現実は、年を追うごとに厳しさを増している。交通量は長い目で見れば確実に減り続けており、これまでの「料金収入が増え続けること」を前提にした経営モデルは、もはや成り立たなくなっている。
民営化の際に背負った約40兆円という莫大な借金を返しつつ、日本中の道路網を守り続けることの重圧は増すばかりだ。収益性の高い路線の利益で地方の赤字区間を支える「全国プール制」という仕組みも、全体の利用者が減るなかでは、かつてのような相互扶助が難しくなっている。
今の高速道路を維持するだけで、年間でおよそ4863億円もの金が必要になる。そのうちの約3割が料金所の人件費に消えているという実態もある。3年前の法改正では、こうした日々の管理費に加え、暫定2車線区間の4車線化を急ぐための資金をどう作るかが大きな論点となった。
また、道路会社が新しい設備を整える際、国が費用の一部を無利子で貸し付ける仕組みも本格的に運用されている。限られた通行料収入のなかで、安全を守りつつ機能を高めていくには、こうした公的な支えは避けられない段階に来ている。
一方で、現場を支える建設業界の状況も深刻だ。時間外労働の規制強化による人手不足や、働く人たちの高齢化、さらに資材価格の高騰が一度に押し寄せている。インフラを維持するための「人の力」そのものの価値が上がっており、過去の予測をはるかに超える負担が現場にのしかかっている。
新しいものを作るよりも、今あるものを使い続けるための苦労の方が大きくつく。有料期間を2115年まで延長するという決断は、この膨れ上がった費用を、私たち社会全体が後払いで引き受けている格好だ。当初見込んでいた更新費用を賄うことすら容易ではなく、インフラ維持の議論は「やるかやらないか」という次元を超え、現実的に「どうやり遂げるか」という瀬戸際に立たされている。