「遠出は疲れます」――日本Z世代の約7割はなぜ“1~3日旅行”を繰り返すのか? 変わりつつある旅の前提
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約75%が国内旅行、約67%が1~3日滞在というZ世代の行動は、観光の前提を大きく変えつつある。短期・高頻度・体験重視へ移る消費の実態と、その背景にある時間感覚や不確実性への対応を読み解く。観光産業は「場所」中心から生活起点へと転換を迫られている。
Z世代の移動行動の特徴

アゴダの調査対象は、1997(平成9)年から2013年ごろに生まれたZ世代だ。彼らはデジタルネイティブであり、学生時代にオンライン授業を余儀なくされた「コロナ世代」でもある。
Agoda International Japan(東京都渋谷区)シニアカントリーディレクターの猪飼匡氏は
「Z世代にとって旅行は、日常生活のリズムの中に自然に組み込まれるものへと変化しています。特に日本では、年に数回の大きな旅行ではなく、それぞれの目的を持った短期間の旅行を頻繁に楽しむ傾向が強まっています。こうした変化により、より柔軟で計画しやすく、体験を重視した旅行が選ばれるようになっています。アゴダでは、フライト、宿泊施設、アクティビティを幅広く取り揃え、日本の旅行者ひとりひとりのペースやニーズに合った旅行の実現をサポートしています」
と指摘する。移動はすでに生活の一部へと溶け込んでいる。
具体的な数値がその変化を裏づけている。前述のとおり短い滞在を選ぶ層が約67%に達しているのはアジア平均と比べても短い。一方で、年間の計画については約58%が1回から6回と、複数回に分けて出かける意向を持っている。また、国内移動の割合は前述のとおり約75%に達し、4人に3人が国内にとどまっている。
旅の目的も変化している。リラックスが50%、食が42%、文化体験が33%を占め、どこへ行くかよりも「そこで何を得るか」という体験の中身が重視されるようになった。同行者は「パートナー」または「ひとり」がそれぞれ33%で並び、友人の25%を上回る。
先の見通しが立ちにくい社会を歩んできた彼らは、遠くの未知の体験に期待を膨らませるよりも、身近な場所で得られる確実な満足を短い周期で繰り返している。