2025年の決断――破談に至ったホンダと日産の意思決定スピード【短期連載】日産はホンダと再び歩みを進めるべきか(3)

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意思決定の遅さと過剰な役員体制が影響し、日産とホンダの「世紀の握手」は破談となった。日産は20年で執行役員52人に膨張し、約3000億円の赤字。ホンダは売上20.4兆円、営業利益1.38兆円の盤石な財務基盤を背景に、子会社化で統合リスクを回避した。

統合破談の必然性と時間要因

ホンダ・日産 統合破談の深層。
ホンダ・日産 統合破談の深層。

 過剰な役員に加え、意思決定のスピードが遅い日産経営陣にとって、組織や生産体制のスリム化の具体的プランをホンダが納得できる形にまとめ、決断するには1か月では短すぎたといわざるを得ない。

 ホンダも、四輪事業の経営が盤石ではないことを踏まえると、過剰な組織や生産体制を抱える日産との統合はリスクにしかならなかった。こうした事情から、技術、企業文化、経営のすべての面で「世紀の握手」の破談は必然だったといえる。

 日産がエスピノーサ社長に交代し、経営再建計画「Re:Nissan」を発表したのは、破談から3か月後のことだった。もし日産とホンダが半年ほど時間をかけ、「統合協議 → 日産の組織・生産体制のスリム化」ではなく、

「日産の組織・生産体制のスリム化 → 統合協議」

という順序を取っていたとしても、歴史は変わらなかっただろう。日産が自ら組織・生産体制のスリム化を進めて再建できるのであれば、そもそも統合は必要ない。

 現在、日産とホンダは別々の道を歩んでいる。しかし両社は

「戦略的パートナーシップの枠組みにおいて連携しながら、引き続き新たな価値の創造を目指す」

としており、統合の話が再び持ち上がる可能性はゼロではない。次回は最終回として、「全機能統合」か「機能別連邦」か、2026年の審判を下す。

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