京都駅前、高層ビル解禁へ? 「市民脱出」を止める壁は高さ60メートルかーー1億円マンションとオフィス難の限界

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京都駅前の高さ制限緩和案が議論の焦点に。60mまでの建物容認で民間投資を促す一方、京町家28%減少やオフィス空室率4%以下など、景観と経済のせめぎ合いが浮き彫りになる。

新景観政策の規制転換

上限31mに規制される京都タワー周辺(画像:高田泰)
上限31mに規制される京都タワー周辺(画像:高田泰)

 京都市は2007(平成19)年、新景観政策を導入した。都市計画法で定められた高度地区は10、12、15、20、25、31mの6段階、風致地区は8、10、12、15mの4段階などに建物の高さを制限する内容だ。新景観政策以前は高度地区に上限45mの区域があったが、削除して規制を強化した。京都駅前は高度地区に該当する。

 しかし、10年も経たない間に問題が浮上する。そのひとつがオフィスやマンション用地の不足だ。京都市内の土地は既に満杯状態。廃校となった小学校跡など残った空地が次々にホテルになり、高さ制限でタワーマンションも建てられないからだ。

 オフィス仲介大手・三鬼商事の調査では、オフィス空室率は2025年11月で4%を下回った。1坪当たりの平均賃料も大阪市や神戸市より1000~2300円高い1万4000円に迫っている。不動産サイト運営のライフルによると、2024年新築マンション平均販売価格は東山区、中京区、北区で

「1億円」

を超えた。その結果、人口は緩やかな減少が続き、2020年の146万人が2025年で143万人に。ところが、京都府南部14市町と滋賀県西部5市で構成する京都都市圏の人口は増加を続け、1980年の236万人が2020年で

「287万人」(22%増)

に増えている。市民が安い住宅を求め、滋賀県大津市などへ流出したわけだ。

 このため、京都市は2015年、交通拠点の駅周辺で規制を緩和する地区計画見直しを打ち出した。対象には京都駅、太秦天神川駅(右京区)、桂川駅(南区)・洛西口駅(西京区)、竹田駅・くいな橋駅(ともに伏見区)、十条駅(南区)・上鳥羽口駅(伏見区)が選ばれている。

 さらに、2020年に街づくりに貢献する建物の高さ制限を緩和する特例許可制度を導入したほか、2023年に部分的に規制を見直す新たな都市計画を施行した。規制緩和は繁華街の四条河原町を含み、京町家が多く残る「田の字地区」(中京区、下京区)を対象外としているが、京都駅南側の大通り沿いで20~25mの上限を31mに引き上げている。

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