マリア、クララ、ビクトリア……なぜ船には「女性の名前」が多いのか? 大航海時代から続く文化とジェンダー平等の影響とは
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船舶に女性名が付けられる背景には、大航海時代から続く言語的・文化的伝統と古代神話が深く関与している。1492年のサンタ・マリア号をはじめ、世界周航を成し遂げたビクトリア号など歴史的名船は女性名が多く、現代でも欧米を中心に根強く残る一方、ジェンダー平等の意識変化により伝統の存続が揺らいでいる。
船名と呼称をめぐる新たな価値観
近年、ジェンダー平等の意識が高まっている。抗議活動の影響で、一部の博物館では船を指す表現が「彼女」から「それ」に変更された例もある。
船に男性名を付けることも批判の対象となりかねず、人名そのものを船に付けることが難しくなるのかという疑問も浮上している。日本では船を「彼女」と呼ぶ習慣がもともと少なく、男性的な名前が多い傾向にある。
国連のSDGsはジェンダー平等を重要な目標に掲げている。こうした新しい価値観の形成によって、船にまつわる伝統が揺らいでいるのだ。
一方、モノを擬人化することは愛着の表れであり、伝統を守るべきだと主張する人や組織も存在する。
船の命名に関しては地域差が大きい。日本では女性名の船はあまり馴染みがないが、船を女性として扱う文化は欧米を中心に社会的過渡期にあるといえる。この議論は現在も進行中である。