ホリエモン、日本のタクシーに喝! 「行き先アプリ指定機能入れて」 ドライバーのミス連発の裏に潜む制度の壁とは?
目的地の誤伝達に端を発したSNS投稿が、年商1.7兆円産業の構造課題をあぶり出した。ITと現場の乖離、制度設計の硬直、そして「移動とは何か」という根源的問いが、令和のタクシーに突きつけられている。
目的地共有の摩擦

2025年4月18日、実業家・堀江貴文氏が自身のSNSでタクシー利用時の不満を投稿した。目的地の伝達ミスやドライバーとのコミュニケーション不全、そしてその背景にあるIT活用の遅れを指摘し、「行き先をアプリで指定できる機能をはやく入れて欲しい」と提言した。
堀江氏の発言は、単なる不満にとどまらず、日本のタクシー産業が抱える構造的課題をあぶり出している。なぜ日本では、移動サービスがテクノロジーと円滑につながらないのか。そこには、制度、文化、産業構造、そして市場設計の複雑な交差点が存在する。
まず確認したいのは、目的地を正確に伝えるという行為が、移動サービスの本質的価値の一部であるという点だ。どれほど高級な車両でも、目的地に正確かつ効率的に到達できなければ、その価値は大きく損なわれる。
堀江氏の主張は、この基本価値の毀損に対する異議申し立てであり、ある意味でサービス提供者と利用者の認識ギャップを示している。
だが、問題はそこにとどまらない。なぜ2025年の今なお、タクシー利用時に
「口頭で行き先を伝える」
ことが標準であり続けているのか。この背景には、日本のモビリティ産業特有の設計思想が色濃く反映されている。