免許更新時に勧誘される「交通安全協会」って何者? 年会費数百円だけど、入会メリットあるの? しかも「任意」なのになぜ強制っぽい雰囲気?

キーワード :
, ,
交通安全協会の加入者数は1992年度の90%超から2009年度以降50%を割り込むなど、会員離れが加速中。加入は任意でありながら強制的に感じる勧誘が一因とされ、特典や活動内容への理解不足が退会を促している。年会費は地域ごとに異なるが、実際の交通安全活動の効果と協会の存続に向けた取り組みが問われる。

理念伝達と効果説明の重要性

全日本交通安全協会主催の「反射材フェア2024」(画像:全日本交通安全協会)
全日本交通安全協会主催の「反射材フェア2024」(画像:全日本交通安全協会)

 交通安全協会の会員離れが進んでいる背景には、地域性や経済状況、更新料の高額化など複数の要因があるが、最も大きな要因は任意という点だ。

 前述したように、任意であるにもかかわらず入って当然として勧誘され、いわれるがままに入会した人々のなかには、後に退会するケースが多い。それは、交通安全協会の活動に対して理解や賛同がないまま入会してしまうことが原因であると考えられる。

 さらに、かつて交通安全協会が警察の天下り先として報じられたことがあり、世間から

「単なる警察官の受け皿」

と認識されてしまったことも、加入者減少に一因を担っているようだ。

 しかし、実際に交通安全協会の活動内容を確認すると、街頭広報や交通安全教室など、交通安全や事故防止に役立つ活動も行われている。したがって、加入を勧める際には、任意であることを明確にし、協会の理念や活動内容をしっかりと伝えることが重要だ。募金活動と同様に、人々の善意に訴えることで、協力したい、加入したいという意識が生まれるのではないか。また、その活動がきちんと効果を発揮しているのかを説明することも重要である。

 単に加入者数を増やしたいのであれば、特典を伝えることも効果的だろう。年会費が安価であっても、活動や理念に対する理解が得られず、メリットを感じられなければ、加入者は増えないだろう。

 交通安全協会に加入するかどうかは個人の判断に任せられるが、もし会費が交通安全に役立っているのであれば、協会の存続のためにも加入は必要だと考える。当然、入会者の期待を裏切らないような取り組みが求められるが、入会することでドライバーひとりひとりの交通安全に対する意識が高まることが期待される。

全てのコメントを見る