免許更新時に勧誘される「交通安全協会」って何者? 年会費数百円だけど、入会メリットあるの? しかも「任意」なのになぜ強制っぽい雰囲気?

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交通安全協会の加入者数は1992年度の90%超から2009年度以降50%を割り込むなど、会員離れが加速中。加入は任意でありながら強制的に感じる勧誘が一因とされ、特典や活動内容への理解不足が退会を促している。年会費は地域ごとに異なるが、実際の交通安全活動の効果と協会の存続に向けた取り組みが問われる。

交通安全活動の実態と資金配分

広島県交通安全協会の活動内容(画像:広島県交通安全協会)
広島県交通安全協会の活動内容(画像:広島県交通安全協会)

 交通安全協会には、全国的な全日本交通安全協会と、各都道府県ごとの都道府県交通安全協会が存在する。免許証の交付や更新時に入会を勧め、会費を集めているのは、主に各都道府県の交通安全協会である。

 各都道府県によって活動内容は異なるが、静岡県交通安全協会のウェブサイトには次のような活動が紹介されている。

・交通安全運動における街頭広報啓発活動
・園児、児童、生徒、高齢者を対象とした交通安全教室
・通学路を中心とした交通指導
・交通安全子供自転車大会や交通安全コンクールの開催
・優良運転者、交通安全功労者などの表彰

 年会費は通常300円~700円程度で、運転免許の交付料や更新料とともに支払うことが多い。静岡県の場合、年会費は400円で、免許の有効期限が5年であれば、更新時に

「会費400円 × 5年分 = 2000円」

を一括で支払うことになる。

 集められた会費は、交通安全広報のための新聞、テレビ、ラジオの広告費や、チラシ、横断幕、懸垂幕の作成費、安全運転を呼び掛けるためののぼり旗、無料配布される自発光式反射材などの購入費として活用される。これらの活動資金として会費が使われることは明確だが、免許の交付や更新時に入会金を支払う加入者にとって、直接的なメリットがあるのかは疑問が残る。

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