トヨタが警鐘! 中国の威圧と「先端半導体」を巡る米中競争の深刻化、規制が自動車業界にもたらす終わりなき苦悩とは

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日中間の情勢が変化しているなか、中国は日本に対し、半導体関連の規制を強化するという警告を発している。トヨタは、この半導体輸出規制が中国の重要鉱物へのアクセスに影響を及ぼす懸念を示している。一方、米国も引き続き対中輸出規制を強化する方針であり、日本はその影響を受ける可能性が高い。

米中貿易圧力の影響

米中対立のイメージ(画像:写真AC)
米中対立のイメージ(画像:写真AC)

 最後に、トヨタ自動車が抱える懸念は今後も解消されにくい。なぜなら、米大統領選ではトランプ氏とハリス氏が支持率で接戦を繰り広げており、互いに批判し合っているものの、中国に対する姿勢には大きな違いがないからだ。

 トランプ氏は中国製品に対する関税を一律60%に引き上げて、中国にお金を支払わせる考えを示している。一方、ハリス氏はトランプ政権の4年間で米国の半導体が中国に流出し、それによって中国軍の近代化を助ける結果になったと指摘しており、バイデン政権の先端半導体の輸出規制などの政策が機能的だと主張している。どちらも、中国への貿易規制を強化する姿勢を崩していない。

 したがって、2025年発足する米新政権は、先端半導体などテクノロジー分野で引き続き中国に対する輸出規制を強化するだろう。また、必要に応じて日本にも協力を求めてくるはずだ。協力というより

「圧力」

という表現の方が適切かもしれないが、安全保障上の理由を示されれば、日本としては米国の要請を拒否するのが難しくなる。その結果、中国は日本への不満を強めることになるだろう。したがって、トヨタ自動車が抱く懸念は今後も続くと考えられる。

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