“神戸ブランド”はこのまま失墜か?復権か? 全く止まらぬ人口減少、神戸市が挑む再生計画の吉凶とは

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神戸市の魅力を高める「リノベーション神戸」が進展してきた。人口減少が続くなかで、“神戸ブランド”の復活は実現できるのだろうか。

市の人口は2023年で150万人割れ

山陽垂水駅前に整備されたバスターミナル(画像:高田泰)
山陽垂水駅前に整備されたバスターミナル(画像:高田泰)

 だが、現実は厳しい――。

 神戸市の推計人口は2015年に福岡市、2019年に川崎市に抜かれ、20政令指定都市のうち7位に後退したうえ、2023年に150万人を割った。2050年の人口は国の推計で123万人余、市の推計で

「116万人余」

と予測されている。

 特に減少が著しいのが郊外。西神ニュータウンは2020年の国勢調査で9万人台にとどまり、計画人口の11万6000人に及ばない。人口自体は横ばいだが、65歳以上が全人口に占める割合が限界集落間近の

「42%」

に達した団地もある。西区全体だと2024年7月現在の推計人口が約23万人で、リノベーション神戸が始まった2019年より約1万人減った。住民でつくる西神ニュータウン研究会の橋本彰代表世話人は

「西神ニュータウンの人口が横ばいなのは、西神南でマンション建設が進んだため。それ以外の地域は減少傾向が続く。住民の高齢化は古い戸建て団地で深刻さを増している」

と頭を痛めている。

 この傾向は須磨ニュータウンや鈴蘭台ニュータウンも変わらない。子育て世帯などが市外へ流出し、高齢化が進みつつある点も同じだ。高齢化が進む郊外と開発が続く市中心部の格差も顕著になってきた。

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