“神戸ブランド”はこのまま失墜か?復権か? 全く止まらぬ人口減少、神戸市が挑む再生計画の吉凶とは

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神戸市の魅力を高める「リノベーション神戸」が進展してきた。人口減少が続くなかで、“神戸ブランド”の復活は実現できるのだろうか。

“神戸ブランド”に陰り

神戸市の人口推移(画像:神戸市のデータを基にMerkmal編集部で作成)
神戸市の人口推移(画像:神戸市のデータを基にMerkmal編集部で作成)

 リノベーション神戸が始動したのは2019年。市は1995(平成7)年の阪神・淡路大震災で壊滅的な損害を受け、

「1兆3000億円」

を超す市債を発行して復興を急いできた。市債の償還が重い負担となり、街づくりなどに十分な予算を割けずにいたが、復興にようやくめどが立ったことが事業着手のきっかけだ。

 復興を進める間に首都圏や大阪市だけでなく、

・子育て施策を充実させた兵庫県明石市などに人口が流出した
・異国情緒を売りにした観光が低迷する

など、かつて関西の若者を魅了した“神戸ブランド”に陰りが見えることも背景にある。

郊外の拠点駅周辺へ居住誘導

リニューアル中の須磨パティオ(画像:高田泰)
リニューアル中の須磨パティオ(画像:高田泰)

 市は駅前の再整備などで定住人口を増やす拠点駅に西神中央駅のほか、

・名谷(みょうだに)駅(市営地下鉄西神・山手線、須磨区)
・山陽垂水駅(山陽電鉄本線、垂水区)
・鈴蘭台駅(神戸電鉄有馬(ありま)線、北区)

などを挙げた。拠点駅周辺を人口減少がさらに進む将来、市中心部と鉄道で結んだコンパクトシティの郊外拠点とする意味も込めている。

 須磨ニュータウンの玄関口となる名谷駅前では、ショッピングモール「須磨パティオ」が第2弾のリニューアル中。2025年春にグランドオープンを予定している。山陽垂水駅前ではバスターミナルとロータリーが整備された。

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