戦闘機市場に波紋? 「GCAP」「NGAD」の計画レビューで懸念される「第6世代戦闘機」の行方とは

キーワード :
,
英国の政権交代によりGCAPの開発見直しが進行中で、短期的な軍備強化の優先度が高まっている。米国もNGAD計画を再検討中で、GCAPの開発の行方は不透明である。

第6世代戦闘機の課題

GCAP旧構想(画像:BAEシステムズ)
GCAP旧構想(画像:BAEシステムズ)

 GCAPは、現在実用化されている最新の第5世代戦闘機に続く、

「第6世代戦闘機」

と呼ばれる技術水準の戦闘機だ。

 第5世代戦闘機が持つステルス性に加え、無人機と連携したネットワーク戦闘を可能にするなど、

「センサー技術や通信技術の大幅な強化」

が特徴である。現時点で具体的な開発計画が明らかになっているのは、米国がF-22戦闘機の後継として取り組んでいるNGAD(Next Generation Air Dominance)と、このGCAPくらいである。

 ところが、米国もNGADの開発計画を抜本的に見直すことを発表している。米空軍は2023年5月にNGADの提案依頼書(RFP)を業界各社に発出しており、2024年6月末までに契約を締結することになっていたのだが、ここに至って抜本的な見直しを宣言し、先行きが見通せない状況になったのだ。

 米空軍がNGAD計画の見直しに踏み切った理由として、まず挙げられているのが

「コストの問題」

である。NGAD搭載用には従来のエンジンよりも優れた航続力や推力を実現するアダプティブ・エンジンの開発が進んでいるが、このエンジンが非常に高価で、機体価格の上昇が避けられない問題になっている。

 調達価格が高いだけでなく、機体を維持するためのコストも問題だ。

・乗員の訓練
・日常整備
・定期整備
・不具合修正
・近代化のための改修コスト

も、継続的に軍の予算を圧迫する。そして、高価で複雑な機体であればあるほど、こうした維持コストも高くなる傾向が強い。空軍は現在でもF-22やF-35の維持コストに悩まされており、これ以上にぜいたくな戦闘機の開発をちゅうちょするのは当然であろう。

全てのコメントを見る