新幹線「喫煙ルーム」廃止 非喫煙者の私が感じた猛烈な「違和感」 正しい企業対応の裏に潜む“無思考社会”への懸念とは

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JR各社は、2024年春をめどに新幹線車内の喫煙ルームを廃止し、全面禁煙にする方針を発表した。この決定により、東海道・山陽・九州新幹線の全列車が対象となり、車内で紫煙をくゆらせる光景はついに見納めとなる。

健康志向と禁煙

男性2066人、女性1682人(平均年齢45.7歳)を対象に行った「タバコに関するアンケート」の結果(画像:ヒューマンリンク)
男性2066人、女性1682人(平均年齢45.7歳)を対象に行った「タバコに関するアンケート」の結果(画像:ヒューマンリンク)

 しかし、健康志向の高まりからか、非喫煙者ですら行き過ぎと考える禁煙が世界各地で進められている。ニュージーランドでは、2009年以降に生まれた人へのタバコ販売が禁止されている。英国でも同様の法案が議会に提出される準備が進められている。

 とりわけ、スウェーデンは「ヨーロッパ初の禁煙国」に近づいているといわれている。欧州連合(EU)統計局のデータによると、2019年のスウェーデンの喫煙率は6.4%で、27か国の中で最も低かった。しかし、スウェーデンが本当に禁煙国を名乗れるかどうかについては疑問がある。

 1990年代初頭に欧州連合(EU)でスヌース(北欧で伝統的に生産されてきた嗅ぎタバコ)の販売が禁止されたとき、スウェーデンだけは例外だった。禁止理由は、ニコチンの経口摂取は依存症を引き起こすというものだった。スウェーデンが禁煙国になったのは、健康意識の高まりというよりも、ニコチンを摂取するためのより効率的な手段を手に入れたからにほかならない。

 そして、禁止されている国でもスヌースはインターネットで簡単に購入できるため、愛好者が増え、新たな問題となっている。だから、

「先進国では健康志向が高まり、喫煙者は減少している」

といった言説そのものを疑うべきではないだろうか。

 結局のところ、喫煙ルームや喫煙所の廃止、禁煙エリアの拡大は、JR各社の対応としては“正しい”が、

「単なる演出」

にすぎない。重要なのは喫煙者・非喫煙者がともに自分の頭を使って考えることだ。双方の意見や立場を尊重し、理解し、“落としどころ”を見つけることが、真の健康社会を築く鍵になるのである。

 そういえば、「長距離走者の孤独」で知られる英国の作家アラン・シリトー(1928~2010年)は、

「インテリは禁煙するが、ジェントルマンは吸い続ける」

と言っていたのを、筆者は思い出した。

 最後に。あなたが非喫煙者であることはわかった。でも、ひとつ聞きたいことがある。あなたが喫煙者に投げかける容赦のない言葉は、本当にあなたの頭の中で考えられたものなのだろうか?

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