信仰か、カネか? 迷走する山梨「富士山登山鉄道」構想 かつて何度も頓挫の歴史、地元は「なぜそんなに急ぐのか」の声
山梨県が推進する「富士山登山鉄道」構想が注目されている。その経済効果や実現性について、現在、多くの議論が交わされている。
富士山「保護」への疑念

山梨県が推進する「富士山登山鉄道」構想が注目されている。この構想は、富士山の山麓から5合目まで次世代型路面電車(LRT)を設置するもので、その経済効果や実現性について、現在、多くの議論が交わされている。
しかし、この動きに対して、富士吉田市は慎重な立場を崩していない。オーバーツーリズム(観光公害)にともなう環境悪化が問題視されるなか、構想が実際に富士山の保護と地域の経済活性化に寄与するのか、その是非が焦点となっている。
富士吉田市議会で9月28日、構想への反対が決議された。この決議案には、市議19人中16人が賛成した。決議文には
「富士山をしっかり守り、後世に引き継ぐこと」
を市の使命として明記。さらに、県の進め方に対して
「不信感を持たざるを得ない」
との指摘がなされている。また、自然環境や景観保全への潜在的な影響と、構想の実現性に対しても疑問が呈されている。
県の富士山登山鉄道推進グループに取材をすると、担当者は富士吉田市が指摘する説明不足を率直に認めた。
「構想の段階から富士吉田市にも参加していただき、堀内(茂)市長にも2回説明させていただきました。しかしその後、新型コロナウイルス感染拡大もあり、説明がおろそかになった部分があるのは認めざるを得ません。県としては、今後も市に対して説明を続けていくつもりです」