急速に進化するAI世界 「人間の出番」が不要になるのは結局いつなのか?
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日々進化し洗練されてゆくIT技術。モビリティ業界でもその利用が増え続けている。仕分けのオートメーション化、配送ルートの解析やスケジュール管理など、さまざまな業務にIT技術が貢献している。
AI席巻も求められる「人間味」

米国に、AI技術を航空事業に活用するソフトウエア開発企業がある。その名もずばり、
「Jet AI」
だ。
同社が先月リリースしたチャーター機のブッキングアプリは、AIが「人間の声」でやり取りをするそうだ。いつでも瞬時に見積もり依頼や予約ができ、利用者にとって利便性が高く、提供側にとっても効率化やコストダウンを可能にする。
「人間に近いAI」
が求められるということは、つまりそこに人間味が求められているということになる。しかし、Jet AIのこのアプリも、予約後の対応はあえて人間だ。高度なAIを擁するJet AIをもってしても、やはり最後のとりでは人間なのだ。
AIの学習能力は驚異的だ。学習を積み重ねると、AIも「相手を思いやる気持ち」や「共感する能力」を身に付け、ニュアンスをくみ取って配慮ある対応ができるようになるのだろうか。
映画の世界ではないが、困っているときに一緒に泣いてくれるAIが将来現れている可能性もないとはいえない。そうなったとき、それはもはやAIではなく、もう「人格を持った人」だ。そこを目指し、AIは日々学習を続けているのかもしれない。
AIが発展しても、結局求められるのは「ヒューマンタッチ」だという論点を展開してきたが、ここへきて思う。つまり、求められているのは「人間そのもの」ではなく、「人間味」なのだと。
AIが「人間味」を身に付けたときこそ、本当に「人間の出番がなくなるとき」なのかもしれない。