JR依存からの脱却! 自治体が粛々と進める「赤字ローカル線」利用促進の波、今こそ地元の本気度を見せつけろ

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島根県などでJRの赤字ローカル線維持に向け、利用促進を図る動きが加速している。急激な人口減少が強い逆風となるなか、効果的な方策を見つけることはできるのだろうか。

コミュニティー施設併設も効果なし

徳島県美波町のJR由岐駅に併設されたコミュニティー施設「ぽっぽマリン」(画像:高田泰)
徳島県美波町のJR由岐駅に併設されたコミュニティー施設「ぽっぽマリン」(画像:高田泰)

 赤字ローカル線を抱える自治体は以前から何らかの公共交通利用促進組織に属し、利用促進策を打ち出してきた。しかし、打ち出した策の多くは他県の先行事例を参考にしたものが多く、大きな成果を出せていない。国も自治体は将来、人口減少で利用者が先細りすることが分かったいながら、

「JR各社に任せきり」

にしてきたようにも見える。

 徳島県美波町の由岐駅は1996(平成8)年、JR四国で初めてとなるコミュニティー施設「ぽっぽマリン」を併設した駅舎に改築された。1階に展示水槽や特産品売り場、観光案内所、2階に郷土資料館とイベントスペースが設置されている。コミュニティー施設を駅に置いて住民が集まりやすくするとともに、牟岐(むぎ)線の利用を促す狙いがあった。

 オープン当初は公共交通維持に向けた画期的な取り組みともてはやされたが、国土交通省によると、1日当たりの乗降客数は2011年度の212人がコロナ前の2021年度で100人に下がった。美波町由岐支所は

「イベントを定期的に開催しているが、コミュニティー施設だけで人口減少に太刀打ちできない」

と頭を痛めている。求められているのは、確実に利用者を増やせる画期的な方策だ。

 岡山県では採算が悪化したJR芸備線の再編協議を自治体側が「廃止ありき」を警戒して拒否し、JR西日本が国に介入を求める騒ぎに発展した。しかし、抵抗するだけで事態が改善されるはずがない。

 地元が赤字ローカル線を積極的に活用して、利用者の減少に一定の歯止めをかける姿勢を見せなくては、国やJR各社の理解を得るのは難しい。今後、島根県などと同様に利用促進策の検討に入る自治体は全国で増えると見られるが、問われているのは地元の「知恵」と「本気度」だ。

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