JR依存からの脱却! 自治体が粛々と進める「赤字ローカル線」利用促進の波、今こそ地元の本気度を見せつけろ
島根県などでJRの赤字ローカル線維持に向け、利用促進を図る動きが加速している。急激な人口減少が強い逆風となるなか、効果的な方策を見つけることはできるのだろうか。
JRの路線維持努力はやがて限界に

自治体の鉄道利用促進を図る動きが最近加速してきたのは、JR各社が赤字ローカル線の収支状況を公表し、路線廃止に動き始めたように見えるからだ。大都市圏の収入で赤字ローカル線が維持される現状への不満が、首都圏で公然と上がるようになってきたことも、危機感を余計に強めている。
大量の赤字ローカル線が廃止された1980年代の国鉄分割民営化直前に比べ、状況は悪化している。自治体の人口は東京一極集中が続く首都圏を除き、大きく減少した。その結果、徳島県のJR牟岐線阿南~牟岐間で1989(平成元)年度の輸送密度(1km当たりの1日平均旅客輸送人員)1817が、2021年度に423と
「4分の1以下」
になるなど、利用者減が全国で加速している。
JR各社が国鉄分割民営化後に廃止した路線は、整備新幹線開業で経営分離された並行在来線や貨物線を除き、18路線787.1kmにとどまる。国鉄再建特措法で1983(昭和58)年から7年間に廃止された83路線、3157.1kmに比べ、抑えられてきたといえる。
JR各社が鉄道以外の事業で収益を稼ぎ、路線維持に努めてきたことは間違いないが、コロナ禍で体力を大きくそがれた。しかも、人口減少はさらに加速し、2045年には全国市区町村の7割以上が2015年に比べ、2割以上の人口減少に陥ると予測されている。
特に、ローカル鉄道のお得意さんになってきた通学の中高生ら若年人口の減少は、鉄道経営に大きく響いている。国や自治体が赤字補てんや上下分離の導入でもしない限り、JR各社の努力が限界を迎える時期はそう遠くない。