EVが売れるほど国の税収は減る? 日本は大丈夫なのか――独で年5.4兆円減収の試算! 世界中のドライバーを待ち受ける「次なる負担」とは

キーワード :
,
EUでEVの新車シェアが21.7%に達し脱炭素が進む一方、ガソリン税収の空洞化が深刻化している。ドイツで年間約5.4兆円の減収が試算されるなか、英・欧各国は走行距離や重量に基づく新課税へかじを切る。日本も2028年からEV等への重量税加算を開始。インフラ財源と環境政策を両立する「クルマ課税」の転換点を追う。

重量税特例加算で始まる日本の改革

自動車関係緒税の課税のあり方の検討(画像:国土交通省)
自動車関係緒税の課税のあり方の検討(画像:国土交通省)

 日本でも、動力源の違いによる負担の差を見直し、車の利用に応じた負担を求める動きが形になりつつある。

 2026年度の税制改正大綱では、2028年5月1日以降に車検を受ける自家用の乗用EVおよびPHVに対し、自動車重量税の

「特例加算分」

として一定の支払いを求める方針が示された。新車の新規検査分は免除される。具体的な税率は、既存の燃料にかかる税とのバランスを考慮したうえで、2027年度の改正で決まる見通しだ。

 2028年度以降の自動車税や軽自動車税(種別割)の扱い、あるいはバスやトラックなど営業用車両への配慮といった論点は、来年度に持ち越された。その一方で、取得時にかかる「環境性能割」は2026年3月末でいったん廃止(2年間凍結)となる。エコカー減税については基準を引き上げたうえで2028年4月末まで延長し、EVやFCVなどの免税措置(2回目車検まで)は残る形となった。背景にあるのは、

「2035年までに乗用車新車販売100%を電動車にする」

という政府の目標だ。販売を後押ししたい考えがある一方、自動車業界や経済産業省が求めてきた自動車税と重量税の統合といった抜本的な見直しは見送られた。

 環境対応を急ぐことと、公平で分かりやすい税の仕組みをつくること。このふたつをどう両立させるかは、依然として重い課題である。

全てのコメントを見る