なぜ韓国人は「日本」を何度も訪れるのか? 訪日経験者の78.8%がリピーター! 旅行を繰り返す人たちに何が起きているのか――変わり始めた「日本旅行」とは

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消費額9.4兆円と過去最高に沸くインバウンド市場。最多の946万人を占める韓国客に今、「質的変容」が起きている。経験者の78.8%がリピーター化し、69.8%が日本の「暮らし」に熱視線を送る。一過性の観光消費から、地域経済を持続させる「関係人口」の創出へ。次世代インバウンド戦略の要諦に迫る。

リピーター率8割に見る訪日市場

日本旅行のイメージ(画像:Pexels)
日本旅行のイメージ(画像:Pexels)

 韓国から日本を見る視線が、少しずつ変わり始めている――。

 その変化は、両国間の感情改善を示す最新のデータにも明確に表れている。韓国のシンクタンク「東アジア研究院」と日本の公益財団法人「国際文化会館」が2026年8月3日に発表した日韓合同世論調査(※7月実施、両国の18歳以上の成人3099人が対象)によると、日本の印象を「良い」と回答した韓国人の割合は前年比1.9ポイント増の54.3%に達し、2013年の統計開始以来、過去最高を更新した(「良くない」は38.5%)。

 一方、日本側の調査でも韓国の印象を「良い」とする回答が前年比10.5ポイント増の35.3%となり、同じく過去最高を記録している。日韓関係が極度に冷え込んだ2020年には、日本の印象を「良い」と答えた韓国人はわずか12.3%に沈み、日本側でも25年に発足した李在明(イ・ジェミョン)政権の対日強硬姿勢への警戒感から一時2割台に落ち込む場面があった。しかし、両国首脳が相互に往来する「シャトル外交」の定着に加え、日本への観光旅行や大衆文化といった民間レベルでの交流が加速したことが、この力強い持ち直しを牽引していると同研究院は分析している(『日本経済新聞』2026年8月3日付け)。

 これまで訪日韓国人市場は、近距離旅行、食、買い物、街歩きといった短期消費の文脈で語られることが多かった。しかし、旅行経験を重ねた層が増えるにつれ、日本への関心は観光地や商品だけでは捉えきれない広がりを示している。

 その背景にあるのが、訪日経験者の高いリピート率だ。

 前提として、日本のインバウンド市場はマクロ経済において劇的な飛躍を遂げてきた。2025年の年間訪日客数は過去最高の4268万人超を記録し、消費額は9兆4559億円規模に膨らんだ。少子高齢化が進む日本において、この需要は個人消費を強力に下支えする成長産業と位置づけられる。その中で韓国市場は、訪日客数で最多となる約946万人(945万9600人)を数え、消費額でも約8767億円(全体の9.3%)を占める極めて重要なポジションに位置する。

 ネオマーケティング(東京都渋谷区)が2026年2月10日から18日に実施した韓国人の日本に対する意識・実態調査によると、韓国在住の15歳から49歳の男女のうち、日本へ旅行した経験がある387人を対象に調査した結果、2回以上の訪日経験者は78.8%に達した。訪日回数を見ると、

・2回:22.5%
・3回:20.9%
・4回~5回:19.6%

となり、10回以上訪れている人も7.8%存在した。

 もちろん、この調査対象は日本旅行経験者であり、日本への関心が比較的高い層である点には留意が必要だ。ただ、それを踏まえても、日本が一度訪れて終わる海外旅行先ではなく、目的や季節を変えながら繰り返し訪れる場所として定着していることは明確に読み取れる。

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