つくばエクスプレス「20%割引」で通勤は変わるのか? 混雑の裏で進む“選ばれる通勤”、静かに変わる人の流れとは
車両増備に頼らない混雑対策が転機を迎えた。首都圏新都市鉄道は5月11日から、早朝乗車で運賃20%引きの実証を開始。1280円→1030円など具体的な値下げで需要を前倒しし、固定費を抑えつつ混雑分散と収益最適化の両立を狙う。
運賃変更を可能にする新技術

ゴールデンウイーク明けの5月11日から、つくばエクスプレスで「クレカタッチでゆとり通勤キャンペーン」が動き出す。朝の早い時間帯に乗車した人を対象とする割引の試みだ。
平日の始発から午前6時30分までに対象の駅を入退場すると、10円単位の普通旅客運賃から20%が割り引かれる。三井住友カードの決済システムを使い、改札機の約4割で利用できる体制を整えた。混雑する時間を避けてもらうことで、車内の環境を良くしようという狙いだ。心地よく一日をスタートできるような、新しい通勤の形を後押ししたいという。
普通運賃を2割も引き下げる内容は、かなり踏み込んだものに見える。興味深いのは、PASMOやSuicaといった既存のインフラではなく、
「クレジットカードのタッチ決済」
を窓口にした点だろう。従来の交通系ICカードで運賃の仕組みを変えるには、駅の設備や基幹サーバーを大幅にいじる必要があり、巨額の費用と長い月日がかかってしまう。その点、クラウド側で運賃を計算するクレジットカード決済なら、期間限定の割引も安く、素早く反映できる。
将来、混雑状況で運賃を変える仕組みを本格的に入れるための、データ集めとしても有効だろう。期間は7月31日まで。事前登録もいらず、何度でも使える手軽さがどこまで広がるか注目したい。