労働力とIT人材の供給力――世界450万人のエンジニア集積【短期連載】インドは自動車産業にとって桃源郷となり得るのか(3)

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人口14.5億人、生産年齢人口は約10億人。世界最大級の労働力を抱えるインドが、ITと人材供給の拠点として存在感を強めている。世界449.6万人のITエンジニアを背景に、データセンター投資は10兆円規模へ拡大。自動車産業も開発拠点として動き始めた。

IT企業の大型投資拡大

インド(画像:Pexels)
インド(画像:Pexels)

 インドは、IT人材の供給地としても注目を集めている。グーグルは2025年10月、人工知能(AI)向けのデータセンターをインドに設立すると発表した。今後5年間で150億ドルを投資する計画だ。マイクロソフトやアマゾンもインドでデータセンターの建設を進めており、世界のIT企業による投資額は合計で10兆円規模になる見通しだ。

 自動車分野でも動きが広がっている。BMWは2024年、タタ・テクノロジーズと車両ソフトウェアやビジネスITを扱う合弁会社を立ち上げた。BMWにとってインドは、米国、ポルトガル、ドイツ、ルーマニア、南アフリカ、中国と並ぶIT拠点のひとつであり、ソフトウェア定義型車両(SDV)や自動運転、インフォテインメント、デジタルサービス向けソフトウェアの開発を担っている。

 ホンダは2024年から、インド工科大学のデリー校・ボンベイ校と共同でAI技術の研究を進めている。2019年から同大学の卒業生を積極的に採用してきた経緯があり、今後は共同研究と人材育成を進める方針だ。

 サプライヤーでも拠点整備が進む。ボッシュ傘下のボッシュ・モビリティは、インドで約3万1000人を雇用している。ドイツの自動車部品大手であるコンチネンタルは、2022年に南部カルナータカ州で技術センターを開設し、6500人規模で活動を始めた。車載ソフト専業のKPITテクノロジーズもSDV開発に力を入れており、世界で約1万3000人のソフトウェアエンジニアを抱えている。

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