「実在の名前を使うな」 JR『teppay』SNS3.8万いいねで大炎上! 名称変更は必要? 背景にある「アレクサ問題」とは

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JR東日本は「Suica」「PASMO」の共通コード決済「teppay」を導入予定だ。アプリ会員約4000万を擁し、PayPay約7100万に挑む一方、名称が個人名と衝突するリスクも指摘される。都市圏に組み込まれる決済サービスが、利用者心理や沿線経済に与える影響は軽視できず、経営判断としての名称選定の重要性が浮き彫りとなる。

Alexa問題

BBC(画像:Pexels)
BBC(画像:Pexels)

 発表翌日の11月26日、実業家で人気インフルエンサーのけんすう氏はX(旧ツイッター)で

「広く使われるプロダクトの製品名に、実在の名前の人がたくさんいるやつをつけるの、すごくよくないと思う」

と指摘した。この投稿には3万8000件の「いいね」が集まった(11月28日時点)。同氏は、米国でも「Alexa問題」として認知されており、名前の使用は倫理的・製品的リスクをともなうとし、JRの名称選定を疑問視している。別の投稿者も、全国の

・鉄平
・徹平
・哲平

といった子どもが「おいテッペイ、払っとけよ」とからかわれる可能性を指摘し、Alexa問題から学ぶべき点を問うた。

 英国の公共放送局BBC(2021年7月2日付け)の報道によると、Alexaという名前の少女の親たちは、アマゾンの音声アシスタントと同名であるため娘がいじめを受けたと訴えている。ジョークは容赦なく、名前を変えた家庭もあった。親たちは、デフォルトのウェイクワードの変更をアマゾンに求めた。

「Parents of children called Alexa say their daughters are being bullied because it is the same name that Amazon uses for its virtual assistant. Some have even changed their child’s name because they say the barrage of Alexa jokes is “relentless”. They are calling on Amazon to change the default wake word…」

記事はさらに踏み込む。名前を呼ばれて命令される状況が日常化し、子どもの精神的負担は大きく、成人でも職場で同様の扱いを受けるという。実際、英国ではAlexaという名前の新生児数が急減し、2016年には167位だった人気順位が、2019年には920位まで下落した。

 この事例は、名前が個人を識別する道具にとどまらず、社会的資源として経済・文化的価値を持つことを示している。巨大プラットフォームによって名前の社会的意味や使用状況が変化し得ることを理解することは、都市交通の経済構造を考える上でも重要だ。

 都市圏における公共交通サービスや決済基盤が、特定の名称によって利用者や地域社会に影響を与える可能性は、Alexa問題と同質のリスクとして捉えられるのだ。

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