東京の郊外「深大寺」が若者で大混雑! TikTokブームで「原宿化」――“自然界隈”は地域経済の恩恵か、歪みか?
SNS映えで人気の寺

深大寺が注目される背景には、「都心からのアクセス」のよさがある。
京王線の調布駅中央口からは「深大寺」行きのバスで約15分、バス停から徒歩1分で境内に着く。途中の「深大寺小学校前」で下車すれば徒歩5分、同駅12番乗り場からの吉祥寺駅行きや三鷹駅行きのバスも10分ほどで深大寺入口に到着する。京王線つつじヶ丘駅北口からも15分程度、JR中央線沿線の吉祥寺駅や三鷹駅からはそれぞれ30分前後でバスが出ており、徒歩数分で境内にアクセス可能である。所要時間は交通状況により変動するため、運行時刻は各路線の時刻表で確認が必要だ。
こうした利便性により、若者でも日帰りで気軽に訪れることができる範囲が広がる。報道では、若者の来訪動機として「TikTokで流行っていたから来た」「インスタ映えする場所を探している」といった声が多く紹介された。視覚的インパクトや体験型の楽しみを重視する行動との親和性が高く、深大寺の魅力をSNS上で共有することが来訪を促す要因となっている。
深大寺には写真に映える要素が多い。湧水や池、苔庭、庭園、古建築など、自然と歴史が融合した空間があり、四季ごとの変化も楽しめる。テラス席や陶芸体験などの場の演出は、訪問者が自身の体験を可視化しやすく、SNS映えの要素をさらに強めている。
加えて、コロナ禍を契機に都市中心部や繁華街の価値が相対的に揺らぎ、狭く混雑した場所よりも「ゆとり」「自然」「余白」を求める傾向が強まった。深大寺は、こうした価値観の変化をうまく取り込み、都市生活者にとって心地よい日帰り観光地として認知されつつある。
訪問者は、自然の静けさや歴史の重みを感じながら、写真や体験を通じて個人の記録を残すことができる。こうした体験の蓄積は、SNS上での話題化を通じてさらなる来訪者を呼び込み、地域全体の認知度向上にも寄与している。深大寺は、参拝地ではなく、都市近郊の体験型・自然・文化拠点としての価値を高めつつあると考えられる。