元日産ディーラーが明かす「ブラック企業」時代の記憶! 昭和的スパルタ指導の日々…これからは顧客本位、FP知識の時代だ
ディーラー業界での過酷な経験を経て、現在は金融業界で活躍する筆者が考える「もし車の販売現場に戻ったら」。顧客視点に立った営業手法を追求し、転職で得た知識を活かした提案で、営業成績を更新できる可能性を探る。新たなキャリアと視点が生む営業改革とは。
顧客視点での営業革命
ここからが本題の
「もし車の販売現場に戻ったら」
という問いについて考えてみよう。まず前提として、若い頃のように無理をしないし、他人にもさせないだろう。以前は顧客のことを考えず、しつこく電話をかけたり、時間を気にせず訪問を繰り返していた。しかし、今の時代、そんな営業スタイルは許されないだろう。紳士的な対応が求められるし、顧客の視点に立った営業が必要だと感じている。
また、転職して得たFPの知識を活かすことができれば、カーライフを軸にした総合的な関係性の構築が可能だと自信を持っている。ディーラー時代も自動車保険を販売していたが、その時は単に
・既存の保険からの乗り換え提案
・損保会社の営業マンが勧める内容
にとどまっていた。それでは顧客の本当のニーズを引き出せず、無駄な保険料を支払わせてしまうリスクもある。自動車保険には、他の保険と重複するような特約もあり、こうした点を踏まえた上で、家庭の保険状況をきちんとヒアリングし、最適な提案をすることが重要だと考えている。
もちろん、これはあくまで「もしも」の話だ。もしも日産ディーラーに戻った場合、限られた商品ラインナップのなかで勝負を強いられるだろう。その結果、商品力が原因で商談に敗北することが増えると予想される。だからこそ、
「車以外の部分で他社の営業マンに勝つ」
ことが一層重要になるだろう。現在の日産では、セレナとノート以外に他社と戦える主力商品は少ない。そのなかで顧客に選ばれることが非常に重要だ。同様に金融業界でも、どの会社を選んでも基本的な商品は変わらない。そこで勝ち残るためのノウハウは転職先で得たものだ。それを活用すれば、現役時代の最高記録である「月刊契約台数9台」を超えることも可能だろう。