エコカー補助金「最大5万円」増額! 知らないと損? 増額の条件「グリーン鉄」って何?

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2025年4月から始まる新たなクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)が注目を集める。最大5万円の増額支給を通じて、グリーン鉄を使用した車両の普及が加速することが期待され、脱炭素化と産業競争力強化の一石二鳥を狙う。自動車メーカーと鉄鋼産業の連携強化がカギとなるこの施策、効果と実現可能性を深掘りする。

EV市場の価格とグリーン鉄の壁

 新制度の導入により、次のような連鎖的効果が期待されている。

 自動車メーカーがグリーン鉄の採用を進めることで、鉄鋼メーカーは安定した需要を確保し、それにより大型投資が進む。これによって、グリーン鉄の製造コストが低下し、製造段階でのCO2削減が進展する。また、この流れにより、国内外の規制強化にも対応可能となる。こうした好循環が実現すれば、日本全体の産業競争力が向上し、脱炭素社会への移行がスムーズに進む可能性がある。

 一方で、グリーン鉄の製造コストは従来の製鉄工程と比べて割高であり、自動車メーカーはコスト負担増を懸念し、グリーン鉄の採用に対して慎重な姿勢を見せている。特にEV市場では、価格が消費者の購買意欲に直結するため、グリーン鉄のように高価な材料を採用するハードルは依然として高い。

 このため、新制度を普及させるには、自動車産業のグリーン鉄需要をまとめ、鉄鋼メーカーの投資リスクを軽減させることが必要だ。このような連鎖効果が生まれれば、産業全体の脱炭素化が進むと期待されている。

 また、欧州連合(EU)は2026年から自動車メーカーに対して製造時のCO2排出量の報告を義務付ける予定だ。このような脱炭素化に向けた動きが世界的に広がる中で、日本の自動車メーカーが競争力を維持するためには、グリーン鉄を含む脱炭素化への取り組みを早急に進めることが極めて重要である。

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