「タワマンに住むなんて……」ネット民はなぜそう批判するのか? 単なる嫉妬? 経済格差・世代間対立・SNSの闇! バッシングの根本理由を考える

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タワーマンションへの批判は、単なる嫉妬ではない。地震や停電時のリスク、経済的不安、世代間価値観の衝突など、現代社会が抱える複雑な問題が背景にある。この現象を深掘りし、多様な視点から持続可能な住まいの未来を模索することが求められている。

世代間ギャップが生む批判

タワーマンション(画像:写真AC)
タワーマンション(画像:写真AC)

 タワマン批判の背後には、異なる世代間の価値観の衝突も見え隠れする。

 タワマンに対する批判の具体的な形態を整理すると、いくつかの側面が挙げられる。タワマン批判には、異なる世代間の価値観の衝突が見られる。

 バブル崩壊を経験した世代にとって、不動産投資には慎重さが求められる。一方で、タワマンは「見栄消費」の象徴とされ、堅実な価値観に反するものと見なされがちだ。そのため、バブル崩壊を知る世代は、タワマンへの批判を通じて、自身の慎重な価値観を正当化しようとする傾向が強い。

 ミレニアル世代は、利便性を重視し、所有よりもシェアリングを好む傾向が強い。タワマンのような「固定資産」は、維持やリスクの観点から不安視されることが多い。そのため、ミレニアル世代にとってタワマンは、将来的な負担や無駄な消費を引き起こす要素として捉えられる。

 デジタルネイティブなZ世代は、タワマンをSNSで見かける存在として認識しやすい。そのため、彼らの批判は「実物を知らないままネット上のイメージで形成される」ことが少なくない。この世代は情報をリアルタイムで取得し、拡散するため、感情的な反応が特に強調されやすい。

 タワマン批判は、現代社会が抱えるさまざまな不安を反映している。経済的不安は、将来の年金問題や雇用の不安定さが、タワマンのような「安定しているように見えるもの」への反発を引き起こす。個々の生活に対する不安が、見栄や虚飾に対する批判として顕在化しているのだ。

 社会的不安も大きな要因だ。都市化が進む中で、地域コミュニティが崩壊しつつあり、タワマンは「個を優先する生活」の象徴とされ、この不安を加速させる存在として批判されることがある。このような状況下では、人々は共同体の喪失感や孤立感を強く感じるため、タワマンに対する否定的な意見が増加する。

 環境への懸念も深刻だ。高層建築物の建設や維持が環境負荷を高めるという批判は、現代社会の環境意識の高まりを反映している。気候変動や自然災害への対策が重要視される中、持続可能な社会への移行が求められている。

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