イーロン・マスクとの共通項とは何か?【リレー連載】本田宗一郎「わからないからいい」を再考する(3)

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本田宗一郎とイーロン・マスクの共通点は、壮大なビジョン、失敗を恐れない姿勢、そして自己への自負。無知の知を自覚し挑戦する姿勢が本田宗一郎の特徴であり、それが彼のイノベーションの原動力となった。

両者の違い

初挑戦のマン島TTレースで完走を果たしたホンダチーム(画像:本田技研工業)
初挑戦のマン島TTレースで完走を果たしたホンダチーム(画像:本田技研工業)

 この

・壮大すぎるほどのビジョンとプラン
・失敗を恐れず、成功するまで諦めない姿勢
・自分の仕事への自負

という3点は、いい方に若干の違いはあれど、本田宗一郎やイーロン・マスクだけでなく、時代を築いてきたイノベーターに共通している点といっていい。

 ただイーロン・マスクに関する資料を見たかぎりでは、本稿の主題である「無知の知」に対する言及が見つからなかった。なんとか近しいところで、

「難しいからこそやりがいがある」
「ずっと同じものの見方をしていると、いつまでたっても変わらない」

ぐらいだ。「無知の知」をはっきりと自覚しているところが、本田宗一郎とイーロン・マスクの違いなのかもしれない。

 ネットを検索して得た情報では、ジーユーの代表取締役社長である柚木(ゆのき)治氏の座右の銘が、「無知の知」だそうだ。柚木治は、「無知の知」を自覚しているからこそ人の話をよく聞くという。

 この場合、「無知の知」をどちらかといえば自分を戒める言葉として、あるいは処世訓として捉えており、

「だから面白い」

という本田宗一郎と異なるように思える。

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