滋賀「米原駅」がびっくりするほど栄えてない理由 新幹線が停まるのになぜ?

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東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道が乗り入れているにもかかわらず、米原駅周辺は活気がない。というか、本当に何もない。なぜなのか。

大都市ベッドタウン化の困難

南草津駅の位置(画像:OpenStreetMap)
南草津駅の位置(画像:OpenStreetMap)

 そもそも米原は、

「大都市のベッドタウン」

としての発展には不向きな立地だった。駅東口の再開発は、国鉄分割民営化直後から構想されていたが、大阪からの距離の問題から、計画は頓挫し続けてきた。

 確かに、新幹線なら米原から新大阪まで40分と近い。だが、運賃の高さから、通勤には現実的でない。一方、在来線なら運賃は下がるが、所要時間は1時間半にもなる。大阪まで1時間の県南部とは、大きな差がある。

 例えば草津市。草津市の南草津駅からは、大阪まで新快速で50分、京都まで20分。通勤定期代は月5万円程度だ。京阪神の西側でベッドタウンとして人気の西宮市や明石市にひけをとらない。現状、大津市と草津市のベッドタウン化は著しく、駅周辺でのタワーマンション建設も相次いでいる。

 こうした県南部と比べ、米原の地理的ハンディは明らかだ。リニア新幹線の開業に期待する声もあるが、リニア通勤は現実的ではなく劇的な変化は望めないだろう。米原が抱える地理的な不利は、容易には解消しない。

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