中国車を締め出す欧州! しかし「イタリア」は工場誘致に積極的、その理由とは
労使問題も浮上

ステランティスは現在、イタリア国内に
・完成車工場(ジャンバッティスタヴィーコ、カッシーノ、アテッサ、メルフィ、ミラフィオーリ)
・エンジン工場(プラトラセッラ)
を所有している。
フィアット500eやマセラティなどを生産するミラフィオーリ工場は、年初から生産停止中で4月20日まで操業停止が延長されている状況で、昨年11月からマセラティを生産するグルージャスコ工場も売りに出ているが、まだ買い手はついてないようだ。
2023年10月にステランティスが株式21%を取得して資本提携した零ホウ(=足へんに包)汽車(リープモーター)は、イタリア国内で15万台ほどのEV生産を検討している。生産工場の有力候補は、ミラフィオーリ工場や売りに出されているグルージャスコ工場とされている。
ステランティスのティヒ工場(ポーランド)で、2024年6月末からリープモーターのT03という小型EVをSKD(セミノックダウン)で生産する可能性があることも報じられている。
このところ、ステランティスを取り巻く労使関係は芳しくない状況が続いており、イタリア国内にある各工場では、労働組合によるストライキやデモなどが頻繁に起こっている。
労使関係の改善が急務であるが、年産100万台確保にはリープモーターとの提携を進めざるを得ない事情があるようで、イタリア国内での労使問題を抱えながらも、中国メーカーであるリープモーターとの協業も進めなければならないという困難な状況に直面している。しかしながら、年産100万台生産の実現がイタリア政府の年産130万台の目標達成には不可欠であり、何としてでもこの目標を実現することが課せられている。
また、イタリア政府にとっての当面の目標は中国自動車メーカーの誘致だが、将来的にはイタリアが中国車のEUへの流入口となり、欧州市場参入の足がかりとなることは避けられない状況が迫っている。
EU進出を目指す中国メーカーとEUとの闘いが今後どのように展開していくのか、興味深い。