ライダーの「観光需要」をあなどるな コロナ禍で2輪販売も大幅増、自治体が模索すべき車・バス以外の道とは

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新型コロナウイルスの感染拡大下で、オートバイの販売が伸びている。その背景には、いったい何があるのか。また、観光市場においてもライダーは自動車や観光バス客などにはない可能性がある。

オートバイに力を入れない自治体

道の駅と自動車(画像:写真AC)
道の駅と自動車(画像:写真AC)

 今回は、観光の視点でオートバイを考えてみたい。

 観光と交通手段は深い関わりがある。自動車や観光バスの観光客を呼び込むために、観光地の自治体や観光団体では広い専用駐車場を確保したり、道の駅やドライブインなどのドライバーのためのサービス施設を設置したりと、さまざまな努力をしている。鉄道や観光バスと連動した観光商品の企画にも力を入れている。

 しかし、同じ交通手段でもオートバイにはあまり力が入れられていない。確かに、観光地に来訪する交通手段としては鉄道や自動車が多くを占めており、それに比較するとオートバイでの来訪はごく少数である。

 とはいえ、オートバイの聖地と呼ばれている観光地でも専用駐車場がなくなるなど、自治体や観光団体はあまりにオートバイには興味を持っていなさ過ぎる。むしろ、近年は

「サイクリストの誘致」

に注力しており、サイクリングロードの整備や、サイクリストのためのホテル・サイクルピットなどの支援施設の設置、サイクリング振興のためのイベント実施に予算を割いている状況だ。

バイカー主導のイベント盛んに

「SKY ROAD OF VENUS」のツイッター(画像:SKY ROAD OF VENUS)
「SKY ROAD OF VENUS」のツイッター(画像:SKY ROAD OF VENUS)

 そのような状況のなかで、バイカー自らが主導してオートバイを盛り上げる取り組みが各地で見られる。

「SKY ROAD OF VENUS(SROV)」はツーリングライダーの聖地のひとつである長野県のビーナスラインでボランティア活動やファンイベントの開催などを行い、地域活性化に取り組む地元ライダーの組織である。ビーナスラインは2輪専門誌やツーリング誌のベストロードランキングで常に上位にランクするオートバイの聖地だ。2019年5月に団体を立ち上げ、8月には下桑原牧野農業協同組合と霧ヶ峰商業界の協力のもと、霧ヶ峰インターチェンジに働きかけて、駐車場にバイク専用の区画を整備した。

「霧ヶ峰コーヒーブレイクミーティング(霧.C.B.M)」はSROVが開催するファンイベントで、SROVが設立された2019年から年1回のペースで開催されている。聖地と呼ばれながらもライダーやバイクに関するイベントが少ないビーナスラインで、ビーナスラインや霧ヶ峰のライダーが一堂に集まる企画を行っている。

 自分のカップさえ持参すればコーヒーは無料であり、コーヒーを飲みながら新しい仲間を見つけ、バイク談議に花を咲かせるイベントとなっている。2022年も9月4日に開催されて、日本自動車連盟(JAF)のデモンストレーションなども行われた。

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